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TRAILER

特報

INTRODUCTION

自然の豊かな美しい島で生きる青年たちと、都会からやってきた問題を抱えた女性。この風変わりな出会いから生まれるのは、最高に優しくてパワフルで、エモーショナルな“再生の物語”。当てもなく立ち止まった不器用な人間たちが、自分の人生を取り戻そうと“もがく勇気”を描いた純度100%の感動作が誕生した。監督を務めたのは本作が長編デビューとなる庄司輝秋。故郷である石巻への熱い想いを胸に、宮城県石巻市の沖に浮かぶ網地島でオールロケを敢行。キャストには次世代の映画界を担う才能溢れるフレッシュな顔ぶれが揃い踏み。人気バンドMOROHAのアフロが脚本に熱く共鳴し、映画初主演を務める。共演は、NHK連続テレビ小説や大河ドラマに数々出演する注目の若手俳優、呉城久美とNHK連続テレビ小説「ブキウギ」(23/秋)に大抜擢された黒崎煌代。懸命に生きる人々が前へ踏み出す姿が、温かな応援歌のように胸に響く。全ての、今を生き抜くあなたへの物語だ。

STORY

豊かな海に囲まれた美しい島で、一人前の漁師を目指すアキラは、「ほや」を獲るのが夏の間の仕事だ。船に乗ることができない弟のシゲルと2人、島の人々に助けられてなんとか暮らしてきたが、今も行方不明の両親と莫大な借金で人生大ピンチに直面中。そんな折、都会からふらりと島にやってきたワケありっぽい女性、漫画家の美晴が兄弟の目の前に現れた。「この家、 私に売ってくれない?」その一言から、まさかの奇妙な共同生活が始まる。3 人のありえない出会い、それは最強の奇跡の始まりだった─。

COMMENT

敬称略・50音順
この愛の物語に涙せぬひとはいないだろう。
人類が抱えた誤解と優しさへの最大級のテーゼ。
原始生物ほやに始まる謎を解く最低限のヒント。
僕は叫ぶぜ!さよならなんて永遠にない!
安齋肇
イラストレーター / アートディレクター
誰かの所為に出来ないことは、=誰の所為でもないと納得出来るものじゃない。
だから、自分の所為を選んだ人は毎日じんわり苦しいのだと思う。飛び込んでお前は大丈夫だと抱き締めてやりたくなる映画だった。
伊藤俊介
オズワルド
小さな見栄も大きな傷も、全部曝け出してみっともない。
みっともないことが、こんなにも格好いいなんて知らない。
「なんだこいつら」って思ってたはずなのに、今あの三人に無性に会いたい。
カツセマサヒコ
小説家
訪れた事の無い、網地島の生活の匂い、日々の匂いがずっとしていた。
そしてあの日の未曾有の出来事から、東北の現在へと一本の線が引かれた本作。
この嘘の無い映画を観て、思わずその足でホヤを食べに行きました。
その味は、本作と共に思い出から出来事になり、今も忘れられません。
斎藤工
俳優、映画監督
大泣きしてしまいました。生々しさとは違う、人の心の動きをそのまま覗くようなリアルさのせいで、どうしても今もあの家族があの島にいる気がしてならないです。
椎木知仁
My Hair is Bad
ほやマンは俺だった
曽我部恵一
サニーデイ・サービス
人と生きるって、なんて面倒で、なんて素晴らしいのだろう。監督や役者たちの全身全霊に、心の奥で錆びついていた扉が開くようでした。ホヤマンありがとう。ホヤマン、幸せになれ!
高橋久美子
作家、作詞家
ゆっくりと流れる時間に身を任せていると、庄司監督の力強い思いがいきなり胸のど真ん中に飛び込んで来た。実際に立ち会った人にしか描けない映画。
アフロさんはアキラでアキラはアフロ、この役は彼しか考えられない。気だるいオフビートな役でありながら熱量を持って絶妙なバランスで演じた呉城久美さん。そして見事なまでに村の漁師と化している津田寛治さん。苦い台詞をサラリと言ってのけるなんとも魅力的な松金よねこさん。健気で繊細、優しさに満ちたシゲルがそこにいた黒崎煌代さん。さらには登場する島の住民の皆さんも。すべての人が愛おしかった。
筒井真理子
俳優
「こんな話があるだろうか」という疑問は「こんな話こそあってほしい」という願いに見ていくうちに変わった。それはキャスト一人ひとりが自分の人生をこの物語に持ち寄った結果で、それ自体が一つの奇跡のようだった。
濱口竜介
映画監督
昨年の9月、アフロからメールが来た。「映画の主演することになった!」私の心配性に火が点いた。台本覚えられるだろうか?役に成れるだろうか?でも、まぁきっと大丈夫なはず。なんたってアフロだから。10月、またメールが来た。「自信ある、なんて言うのおこがましいけど共演者、スタッフ、みんな一生懸命でここまでとても充実しててすげー良いと思うのでぜったい見てね!」あぁ、やっぱり大丈夫だ。映画は「みんな」で撮るものだ。それが出来てるなら、完成を楽しみにするばかり。映画を観た。「みんな」のキラキラした時間と想いが映っていた。若者二人が素晴らしかった。アフロも愛らしく、彼自身の持つ優しさが滲んでいた。その晩、下北沢のうるさい居酒屋にアフロと飲み行った。酔っ払ったハッピー野郎が、満面の笑みで聞いてきた。「俺映画賞とか獲れるかな!?」ハイボールを吹き出す。「馬鹿野郎!映画舐めんな!」一笑にふしたが、ニヤニヤの止まないその顔を見ながら「あぁ、いい映画だったんだなぁ」と、幸せと酒を口に運んだ。
東出昌大
役者
最初は単なるふざけた映画だと思っていた。観終わったとき、びっくりするほど泣いていた。
「置かれた場所で咲くのか、咲くためにどこかに向かうのか――」。
誰もが通る人生の葛藤を圧倒的に掘り下げた最高の映画だ。
水野敬也
作家
彼らはきっと今日もどこかで生きている。そう思えた。
映画館を出たら、街が人恋しく映った。
燃え殻
作家
誠に人はいじらしい。がんばれ大丈夫、とこの映画は励ます。傑作。
山﨑努
俳優
アキラの、兄としてしっかりしようと頑張っている感じも、それでいてちょっと抜けていて頑固で不器用な感じも、全部全部愛おしい!
アフロさんの心の中から叫ぶような演技は、まるで歌っているようで心が揺さぶられた。
ほやマン、感動をありがとう!
山本さほ
漫画家
阿部アキラなのか?MOROHA アフロなのか?
この映画を観ればみるほどアフロのドキュメンタリーなんじゃないかと錯覚する。あまりの生々しいラスト、1曲できそう!
優里
シンガーソングライター、YouTuber
“ほや”ってなあに?
形がパイナップルに似ていることから「海のパイナップル」と呼ばれるほや。主にマボヤと言われる種類が東北地方に多く生息している。一見、貝のように見えるが脳神経、心臓、消化器官をもつ、れっきとした動物で、我々「人」に最も近い無脊椎動物だ。卵から生まれ、赤ちゃんのころはオタマジャクシのような形で海を泳ぎ、やがて住む岩場を決めると背骨がなくなり、脳がなくなり成体の形になっていく。甘み、苦味、酸味、塩味、うまみの5つの味わいを一度に堪能できる。

CAST

アフロ(MOROHA)
阿部アキラ役
演技に長けている人は他にいたはずだ。
それでも「お前じゃなきゃダメだ」と言ってくれた。
それは「音楽で晒している生き様をそのままぶつけろ」という、監督から与えられた使命だと思った。
生き様でナメられたくないから、台本を気が遠くなる程に読み込んだ。
あたり構わず教えを乞うた。
小型船舶の免許を取得し、ロープの繋ぎ方を覚え、素潜りのスクールにも行った。
その結果、俺は良い役者になれたのか。
それはわからない。
だけど、完成した作品を前に確信した。
俺じゃなきゃダメだった。
「初めてにしては良くやった」なんて生易しいものじゃない。
アキラの葛藤は俺のものだった。
これまでの自分のキャリアの全てを注ぎ込めたこと、誇りに思います。
プロフィール
バンド「MOROHA」のMC。MOROHAは今年15周年を迎えるアコースティックギターのUKとMCのアフロからなる二人組。世代を超えた幅広い音楽ファンから支持を得るMOROHAには著名人の熱烈なファンも多く、これまでドラマシリーズ「宮本から君へ」のエンディングテーマや、映画『アイスと雨音』では劇中に登場する形で熱のこもったパフォーマンスを繰り広げたことも記憶に新しい。本作で制作側からの熱烈オファーと映画の熱いメッセージ性に深く共鳴。自分がやらねばと本作で初主演映画デビューを飾った。
呉城久美
高橋美晴役
昨年の夏、私はこの大切な作品に出会うことができました。
映画に関われる喜びにみちみちた日々は、紛れもなく人生一番の幸せな時間で、
なんだか生き返った気がしました。
何度でもあの夏に戻りたくなって、いまだに寂しくなることもありますが、
「さよなら ほやマン」があの時間をちゃんと残してくれてるんだろうと思うと、すごくほっとします。
どうか沢山のひとに届きますように。
プロフィール
様々な作品に出演する若手実力派女優。2016年からNHK連続テレビ小説を立て続けに出演。「べっぴんさん」、「ひよっこ」そして「まんぷく」では主役を親友として支え続ける大きな役割を担っていた。そして2022年舞台「裏切りの街」(作・演出 三浦大輔)では高い評価も得る。最近では、NTV連ドラ「大病院占拠」(23)レギュラー出演。映画では『来る』(中島哲也監督)、『浅田家!』(中野量太監督)、『流浪の月』(李相日監督)、『エゴイスト』(松永大司監督)など注目監督の作品に呼ばれている。
黒崎煌代
阿部シゲル役
映画「さよなら ほやマン」阿部シゲル役の黒崎煌代と申します。
本作は宮城県・網地島の方々の多大なるご協力のもと制作されました。約三週間の撮影期間ずっと島民の皆様の暖かさに感動していました。そんな暖かさで満ちた島の雰囲気がそのまま作品に投影されているように思います。
また、本作は私の映画デビュー作であり、今後の活動の原点とも言える作品です。それが「さよなら ほやマン」だということがとても誇らしく、有り難いなという気持ちでいっぱいです。
庄司監督の魂を先頭に色んな方々の魂が込もった作品となっています。私も込められる限り込めました。
是非、劇場で観ていただきたいです。
よろしくお願いします!
プロフィール
2022年にレプロエンタテインメントの30周年記念で開催された役者オーディション、「レプロ主役オーディション」に応募し、全くの素人ながら約5,000人応募の難関を勝ち抜き、同年に参加した2023年後期NHK連続テレビ小説「ブギウギ」のオーディションにて、メインキャストであるヒロインの弟役を勝ち取り俳優デビュー。本作が映画デビューとなる、今最も注目される新星。
松金よね子
春子役
プロフィール
テアトル・エコー、劇団東京乾電池を経て、数々のドラマや映画に出演。女優の傍ら、アニメや洋画の吹き替えも行う。81年、舞台「地下は天国」で第16回紀伊国屋演劇賞個人賞を受賞。主な作品に『はやぶさ/HAYABUSA』(堤幸彦監督)、『小さいおうち』(山田洋次監督)、『あの日のオルガン』(平松恵美子監督)、『いのちの停車場』(成島出監督)、『窓辺にて』(今泉力哉監督)、『太陽とボレロ』(水谷豊監督)、『おとななじみ』(高橋洋人監督)、『バカ塗りの娘』(鶴岡慧子監督)。
津田寛治
タツオ役
プロフィール
北野武監督の『ソナチネ』で1993年、映画デビュー。 『模倣犯』(森田芳光監督)にて第45回ブルーリボン賞助演男優賞、『トウキョウソナタ』(黒沢清監督)にて第23回高崎映画祭最優秀助演男優賞、『山中静夫氏の尊厳死』(村橋明郎監督)にて第30回日本映画批評家大賞にて主演男優賞を受賞。2021年以降は、『ONODA一万夜を越えて』(アルチュール・アラリ監督)、短編映画『惡党と物書き』で主演を務める。2023年は『首』(北野武監督)、『おしょりん』(児玉宜久監督)、『アーバンクロウ』(橋本一郎監督)などの公開を控えている。

STAFF

庄司輝秋
監督・脚本
もがくような熱量が、主演のアフロはじめ、今作のキャストとスタッフにはあった。その熱量が役柄と一体となってこの映画に魂を宿らせたのだと思う。
3週間にわたる宮城・網地島での合宿生活は奇跡的なエネルギーと出会いに満ち、ラストシーンを撮り終えた際には、登場人物たち同様に、監督である私も自分の人生を取り戻せた気がした。とても晴れやかだった。
「理屈に合わなくても、無茶苦茶でも、誰に何と言われても、まずは自分のやりたいことをやる」それこそが人生の輝きを取り戻すきっかけになると私は信じている。この映画が“もがいてみる勇気”を観た人に与えられたのなら最大の喜びである。
最後に、ふるさとを育み、そして奪った美しい宮城の海に、この映画を思いっきりぶつけたい。感謝と畏怖を込めて。
プロフィール
映画監督、CMディレクター。 1980年9月19日宮城県石巻市生まれ。東京造形大学彫刻科卒。大学卒業後、広告制作・映像制作に関わる。SSFF&ASIA2009 短編映画『LINE』を発表。2013年、石巻を物語の地とした短編映画『んで、全部、海さ流した。』(ndjc2012作品)を単独で全国劇場公開。 本作が長編劇場デビュー作となる。
大友良英
音楽
プロフィール
1959年横浜生まれ。10代を福島市で過ごす。常に同時進行かつインディペンデントに即興演奏やノイズ的な作品からポップスに至るまで多種多様な音楽をつくり続け、その活動範囲は世界中におよぶ。映画音楽家としても数多くの映像作品の音楽を手がけ、その数は100作品を超える。近年作に『花束みたいな恋をした』(土井裕泰監督 日本アカデミー賞優秀音楽賞)、『ノイズ』(廣木隆一監督)、『犬王』(湯浅政明監督)、『土を喰らう十二ヵ月』(中江裕司監督)など。またTVでは「あまちゃん」、「いだてん〜東京オリムピック噺〜」、「エルピス」なども担当。
山上徹二郎
企画・製作
プロフィール
1986年にシグロを設立、代表となる。以来80本以上の劇映画、ドキュメンタリー映画を製作・配給する。ベルリン国際映画祭銀熊賞をはじめ国内外の映画賞を多数受賞。主な作品に、『松ケ根乱射事件』(山下敦弘監督)、『ぐるりのこと。』(橋口亮輔監督)、『沖縄 うりずんの雨』(ジャン・ユンカーマン監督)、『だれかの木琴』(東陽一監督)、『蝶の眠り』(チョン・ジェウン監督)など。藤本賞特別賞、新藤兼人賞プロデューサー賞ほか受賞。
押田興将
製作プロデューサー
プロフィール
日本映画学校卒業後、今村昌平監督に師事し、『うなぎ』ではメイキング、『カンゾー先生』、『セプテンバー11』では助監督として今村昌平作品を経験。ドキュメンタリーの演出も手掛け、2017年オフィス・シロウズ代表取締役に就任。『土を喰らう十二ヵ月』(中江裕司監督)等の劇映画のほか、NETFLIX映画『アウトサイダー』(マーチン・サントフリート監督)、英日合作映画『Cottontail(コットンテール)』(パトリック・ディキンソン監督) などを手掛けている。