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水俣の図・物語
【シリーズ2】公害の原点・水俣から学ぶ Vol.11
水俣の図・物語
水俣の図・物語
DVD

IFシリーズ2「公害の原点・水俣から学ぶ」全17枚セット
※こちらの作品はセット販売のみとなります。

価格 624,750円(税抜:595,000円)

公共・大学図書館、公共施設でご購入希望のお客さまや、作品に関しては、シグロまでお問い合せください。

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program A
水俣の図・物語
The Minamata Mural
1979年、晩秋、水俣病の象徴的風景ともいうべき水俣湾のほとりに、紙をひろげ、写生にかかる丸木位里、丸木俊夫妻の姿があった。広島で原爆の被害を体験したいわば、地獄図の作家たちが、いまも生きつつ苦しむ水俣の悲劇をどうあらわすか。
位里さんは、風景だけで、その悲劇の海を描き切ってみようとも思ったという。俊さんは克明な人物群像をすでに描いていた。刃先のように絵筆を紙に立て、中腰で一線一点を描く真剣勝負の俊さん。それに位里さんはかまわず太い刷毛で墨をのせ、よごし魔のように駈けぬける。一瞬、仇同士のように切り結ぶふたりの仕事ぶりが見える。
完成した絵を前にふたりは交々語る。「水俣の風景は美しい、人間もいいにんげんばかり。わしは、明るい水俣を描こうと何べんも思った。患者の闘いも描こうと思うた。しかし明るくはならなかった」「石牟礼道子さんの本、“苦海浄土”とはよく水俣をあらわしたことばと思うけど、苦海ばかりの絵になってしまって……」。
上野での“从展”の発表。水俣からきた石牟礼さんは、はじめて水俣の群像と対面した。水俣のあの人、この人がそこに居た。
「水俣の図」。カメラは15mの絵を横に歩き見、縦に近づき、動態の流れにそって辿る。石牟礼道子の詩「原初よりことば知らざりき」の朗読に、武満徹作曲の「海へ」が流れる。絵画とカメラ・アイと詩と音楽に映じた“水俣” のシンフォニーである。
1980年8月6日、原爆忌。位里さんは、鉄斎にならって80歳位里と号に描く日をむかえると宣言した。
晩秋、ふたりは再び水俣を訪れた。俊さんは前回ショックのあまり描けなかった患者さんのデッサンがしたかった。重症の老人患者を色紙に描き、調べた上で「水俣病闘争の指導者」と書いた。25歳になったとはいえ少女のままの胎児性患者、加賀田清子さんを描いた。
ヘドロ漬けの水俣湾の汐は引き潮とともに不知火海に散ってゆく。一方、外洋から満ち潮がなだれこむ。海はまだ生きていると告げている。
スケッチはつづいた。胎児性患者の坂本しのぶさんを描き上げた夜、ふたりは“もうひとつの水俣”の印象を語りだした。位里さんは、清子さんに浄土のひとのような魂を垣間見たというのだ。
1981年1月、絵のなかのふたりの娘の掌には、丸々とした赤ん坊が描かれた。位里さんは「希望のもてる絵にする。人民はいつも殺される。だが死んではいけない。生きて生きて生きぬくという絵にするのだ」という。俊さんは「もっとも悲しくつらいことを、もっとも美しく描くことができれば……」と語った。
その赤子と女人像に、位里さんの手で、後光のようなまっ赤な絵の具が流されていった。
(『映画 水俣の図・物語』パンフレットより)
 
水俣の図・物語[スタッフ]
水俣の図:丸木位里、丸木 俊
音楽:武満 徹
詩:石牟礼道子
製作:高木隆太郎、若月 治
演出:土本典昭
演出助手:西山正啓
撮影:瀬川順一、一之瀬正史
撮影助手:柳田義和
照明:外山 透
録音:久保田幸雄
ナレーション:伊藤惣一
ネガ編集:加納宗子
応援スタッフ:清水良雄、内藤雅行、高橋達美、小池征人、今野正典、岡沢一賀
製作デスク:米田正篤、佐々木正明、江田民雄、岡本紀世子
現像所:東洋現像所|録音所:東京テレビセンター
協力:瀬川浩、宗田喜久松、高岩仁、倉岡明子、羽賀しげ子、坂口顕、(財)原爆の図丸木美術館、映画「水俣の図」を応援する会、東京コンサーツ、不二技術研究所、東京シネアート、クリエーション5、幻燈社、菁映社、埼玉県東松山市教育委員会、水俣市立明水園、熊本県芦北漁業協同組合、水俣病センター相思社

1981年/日本 記録映画/カラー/111min./青林舎

第23回毎日芸術賞
第6回くまもと映画祭大賞
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1981年度芸術祭参加作品
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