宮城県石巻市。高校を中退し、仕事も決まらず毎日フラフラとしている弘恵。つまらない嘘ばかりつく彼女は仲間からも母親からも疎まれている。つるむ相手もいない彼女の元には、見ず知らずの男から援交目的の電話がかかってくる。
よるべない彼女はある日、赤いランドセルを背負ったデブ少年の達利と出会う。彼もまた友達と上手く馴染めないのか、のけもの同士、いつしか弘恵と共にささやかないたずらに興じるようになる。
そんな時、弘恵は達利が妹を交通事故で亡くしていたことを知る。悪気なく「長浜の海で形見を燃やせば命が甦る」と嘘をついてしまう弘恵。信じてしまう達利。困惑しつつも仕方なく弘恵は、その儀式を行おうと決心する。
しかし海までは遠い。頼れる者もいない弘恵は、自分の“客”である小林(足立智充)を呼び出す。援交を卒業したはずの弘恵からの誘いを怪訝に思いつつも、小林は弘恵と達利を乗せ、3人は海をめざす。