Q and A
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聞き手:『わたしのグランパ』ホームページ編集部
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 <第2回>
Q 音楽の使い方、ちょっと変わってますね。
  もう少し別の言い方ないかなあ、「類型的じゃなくて新鮮ですね」とか……。
Q ハイハイ、言い直します。音楽の使い方が新鮮でした。2種類、使ってますね。
  予告編やTVコマーシャルは別の音楽です。
映画本編の音楽は、ひとつは「Alpha(アルファ)」ですね。イギリスのブリストルに本拠をもつ二人組で、いわゆる「サンプリング・ミュージック」というジャンル。
Q コンピュータで作った音楽ですね。
  そう、すでにある音楽をコンピュータで加工して、もとの形と違うものに作り上げてるわけです。CDのジャケットに凄いカタカナ日本語が書いてある。「アンビエントでダブ・テイスト溢れるブリストル・チルアウト・ポップミュージック」って、これ、ぼくよくわかんないけど……わかります?
Q わかんなくていいです。もうひとつは?
  「TABLATURA(タブラトゥーラ)」ですね。これは日本人のグループ。
Q 日本のミュージシャンなんですか。
  そうだけど、ドイツのTELDECというレーベルからCDを出したりもしていて、世界的に知られているグループです。音楽に国籍は必要ありません。
Q なんか「アルファ」とは全然テイストが違いますね。
  そうですね。中世からルネッサンスころの古い楽器を復元して、当時の音楽を再現したり、自分たちで新しく作曲したりしてる。
Q というと、あの『絵の中のぼくの村』の音楽みたいな……。
  あれは「カテリーナ古楽合奏団」で、西洋の古楽器を使う点では似てるけど、また別のグループです。
Q 東さんは古楽器が好きなんですか?
  まあ、楽器の音色が好きということはあるけど、やはり音楽として優れているからですね。「アルファ」も「タブラトゥーラ」も現代の最高級の音楽です。そうじゃないと自分の映画に使わせてほしいなんて思わない。
Q じゃあ『わたしのグランパ』も、「現代の最高級の映画」ということになりますか?
  ……どうしてそう話題が飛躍するの?
Q 飛躍ですか?
  あのね、最高級のワインを飲んだからといって、その人が最高級の人間になるわけじゃないでしょ?
Q そりゃそうですけど……。
  でも、ワインのうまさを知ってることは大事ですね。自分がワインを作るときに、うまいかまずいかがすぐにわかる。
Q じゃ、聞き直します。映画『わたしのグランパ』はうまいワインですか?
  それは飲んだ人が決めることですね。
Q そりゃま、そうですけど……。
Q and A 監督との一問一答
第1回 〜 大まじめに描かれた現代の「おとぎ話」なんだ 〜
第2回 〜 現代の最高級の音楽じゃないと… 〜
第3回 〜 監督がキャメラマンを選ぶ基準 〜
第4回 〜 悩んでいるうち、ふと思い出したのが足利市だった… 〜
第5回 〜 ふわっと空中に浮いたときのこと、おぼえてませんか? 〜
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