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聞き手:『わたしのグランパ』ホームページ編集部 |
<第4回> |
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3月21日の足利市での先行一般公開、大成功だったそうですね。 |
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市民会館のホールは座席が1400ちょっとなんだけど、2回上映して2回とも満員、2800人以上が見てくれました。立ち見はお断りしたんで、入れなかった人が大勢いたらしい。 |
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すごい! |
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まあ、菅原文太さんと、j-phoneのCMで有名になった石原さとみさんが舞台挨拶するという人気もあっただろうけど。でも、人口16万人の街で、たったの2回上映で3000人近くが見てくれた、というのは大変なことです。 |
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じゃあ、日本の人口は1億2000万人だから、その割合で計算すると、ええっと……。 |
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何をバカな計算してるの? これはロケ地足利市だけの、特殊なできごとです。 |
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ハイ、そうでした。ところで、足利市をロケ地に選んだのは、どういうわけですか? |
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原作を読むとね、何となく東京の下町的な雰囲気があって、近くを大きな川が流れてる。すると、東京近郊では多摩川流域の街とか、荒川流域の街が考えられるけど、実はこの小説、時代が1989年前後のバブル経済期に設定されているんですね。「地上げ屋」が現在進行形で出てくるし……。 |
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もう一組のヤクザも出てきます。 |
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でも映画は2003年の物語にしたかったので、シナリオはそうなっている。準備稿ではまだ、中学生たちがコンビニ前にたむろしているとか、原作どおりだったけど、そういう風俗もなくなってるんです、今では。それで悩んでるうち、ふと思いだしたのが、『サード』のときロケハンしたことのある足利市だった、というわけ。 |
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渡良瀬川も流れてますしね。 |
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それもあるし、あらためてロケハンしてみると、昔からの庶民の生活感覚の染みついた街並みが残ってて、一方ではとても現代的な雰囲気ももっている。主人公の家にぴったりの古い民家も見つかったし、中学生たちがたまり場にしておかしくない場所もあったしね。それで足利市に決めたわけです。街の人たちが親切で、ずいぶん助かりました。 |
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何日くらい、足利にいたんですか。 |
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調査や準備には4カ月ほどかかってるけど、じっさいに撮影したのは31日。 |
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え? そんな短い期間でできたんですか、この映画。 |
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31日で映画ができたんじゃないの、撮影した期間が31日だったということです。現場にかかわったスタッフが、ざっと70人。 |
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すごい人数! 製作費も大変だったんでしょうね。いくらかかったんですか? |
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自分で計算してみたら? |
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そんなこと、できません。 |
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知らなくていいんです。監督も知らないんだから。 |
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