鯨捕りの海
どんな映画か
監督 梅川俊明
スタッフ
解説
捕鯨の背景
撮影日誌より
捕鯨に生きる
SIGLO
 
撮影日誌より
4月6日5月3日
5月21日6月3日
梅川監督の撮影日誌より抜粋
 
 5月21日ノルウェーにて
イメージ

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 出漁できない日が続く。港に停泊しているとわからないが、外洋は波が相当、高いらしい。それでも船は不思議なことに毎日移動を繰り返し、停泊する港を変える。オドバーに聞いてみると、なにやら神妙な顔つきになる。
 その理由は、捕鯨船はトップマストに捕鯨砲を備えた形のため、港に停泊すると誰の目にも止まりやすい。ヨーロッパと陸続きのノルウェーでは、何者かの通報によって、捕鯨に反対する過激な自然保護団体が船を焼き打ちするという事件が過去にあったそうだ。
 この時も留守中の家族に脅迫電話が入っている鯨捕り仲間がいるらしく、オドバーにも気をつけたほうがいいという連絡がはいっていた。噛みしめるように話してくれたオドバーの表情は、モラトリアムを機に船を下りざるをえなかった小浜さんを思い起こさせた。
 夕方、オドバーから呼び出され、これからクリスチャンサンドに向かって南下することを告げられる。私たちのスケジュールでは、予備日を入れても、この航海にとても同行できない。私は断腸の思いで、スタッフに状況を説明し、撮影を断念した。ノルウェーの鯨捕りの思いを感じながら、何もできなかった自分が本当に嫌になる。翌日、撮影船でベルゲンに向けて出発。26日に帰国。
   
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